Stig Lindberg / Ljungbergs

スティグ・リンドベリの
布について、少し。

個人的に、リンドベリの柄が好きです。何が好きかというと、柄の向こうに人の気配がする感じ、とでもいうか。うまく説明できないんですが、そういうことを少し書きます。

先に柄と色を見たい方は、こちらから(8柄・16色)→

ベルサの生地と、仕立てたクッション
ベルサ(Berså/1961)。リンドベリの柄でいちばん知られている一枚です。

いま「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」が日本を巡回しています(いわき・横浜高島屋・愛知)。会場のことと、展示で見た柄が生地で手に入る話は スティグ・リンドベリ展のページ に書きました。

もともとは、音楽家になるつもりだった

1916年生まれのスウェーデン人です。陶器メーカーのグスタフスベリで長く働いて、食器からテキスタイル、絵本、包装紙まで、生活まわりのものをなんでもデザインしていた。

もともとは音楽家になるつもりだったそうです。10代の事故で道が変わった。21歳のとき、倒産寸前のグスタフスベリに飛び込んで「雇ってくれれば工場に仕事を作ってみせる」と言い切った。そういう人です。

1959年に日本を訪れ、西武百貨店の包装紙をデザインしています。瀬戸や信楽も歩き、日本の陶芸に強い関心を持ちました。そのとき若い芸術家たちにこう語っています。「古いとか新しいとかでなく、真実であるかどうかがデザイナーにとって最も重要だ」と。

グスタフスベリでは、リサ・ラーソンの才能を見抜いて大学卒業と同時にスカウトしたのもリンドベリです。23歳のリサを工場に呼んだ。そういう目利きでもありました。

スティグ・リンドベリ作品集の書影
『スティグ・リンドベリ作品集』ギセラ・エロン著・本郷若子訳(ISBN 4-939102-71-8)
Herbarium 生地で仕立てたバッグ
Herbarium(ハーバリウム)生地で仕立てたバッグ。

白樺の街で育った人が、白樺の葉の柄を作った

工場では、リンドベリが来るとわかると皆が大事な作品を隠したそうです。そそっかしくて、うっかり壊すことがあったから。

将来の妻グンネルに初めて会ったとき、美しさに見とれて自転車を制御できなくなり、白樺の木に激突した。後に「あの事故を一度も後悔したことがない」と語っています。ちなみにBersaの白樺の葉は、彼が育ったウメオという街の木です。「白樺の街」と呼ばれる場所で育った人が、白樺の葉の柄を作った。

そういう人が、この布を作りました。

スティグ・リンドベリのテキスタイル

うちにあるのは、8つの柄です

Ljungbergs / 8 patterns

スウェーデンのユンバリ社(Ljungbergs)がプリントしている、リンドベリの布です。どれも10cm単位でお切りします。同じ柄で色ちがいがあるものは、並べて置きました。

ベルサ

Bersa ─ 3色

白い地に、ころんとした葉が縦にならぶ柄です。グスタフスベリの陶器でも知られていますが、こちらはユンバリ社が布にプリントしたもの。葉のリピートが約3.2cmと小さいので、ポーチのような小さなものでも柄がきれいに出ます。

いまある色3色

ベルサという柄の話 →

ハーバリウム

Herbarium ─ 4色

ハーバリウムは植物標本のこと。名前のとおり、草花がびっしり描き込まれています。葉脈が一枚ずつ違う。柄に上下が無いので、どの向きに裁っても大丈夫です。うちでバッグに仕立てたのも、この柄です。

いまある色4色

ハーバリウムという柄の話 →

グラツィア・ポカ

Grazia Poca ─ 2色

一色刷りの、細かいボタニカルです。離れて見ると静かな柄ですが、近づくと植物のあいだに小さな人の顔が隠れています。泣いていたり、笑っていたり。裏からも柄が見えるので、のれんや間仕切りにも向いています。

いまある色2色

グラツィア・ポカという柄の話 →

フルーツボックス

Fruktlada ─ 2色

スウェーデン語で「果物箱」。箱に果実がきちんと並んだ柄です。よく見ると虫食いのある実がまじっています。2色は素材が違って、スペシャルレッドは光沢のあるコットンサテン、グレーは綿麻。同じ柄でも手ざわりが変わります。

いまある色2色

フルーツボックスという柄の話 →

ポテリー

Pottery ─ 1色

濃いネイビーの地に、陶器が行列しています。ハート柄のピッチャー、縞の花瓶、顔に見えるもの。ひとつずつかたちが違います。壺の高さが15〜20cmほどあるので、クッションやパネルのように面で使うと、この柄の楽しさがよく出ます。

いまある色1色

ポテリーという柄の話 →

バルバス

Bulbous ─ 1色

1947年のデザインです。球根や種のようなふくらみが縦につながっていて、直線が一本も使われていません。黒地に、ピンク・ブルー・グリーンが差してあります。柄が縦に流れるので、カーテンやタペストリーにすると動きが出ます。

いまある色1色

プランタン

Printemps ─ 1色

フランス語で「春」。細長い球根のような植物が、縦にならびます。綿麻で、裏からも柄が透けて見えるので、のれんやシェードにして光を通すときれいです。

いまある色1色

メロディ

Melodi ─ 2色

森の中で、フルートを吹く人、木にもたれる人、実を摘む人。鳥もランタンも、大きなクモの巣もいます。人の背が30cmほどある大柄で、どこで切っても誰かが入ります。リネン100%の、スウェーデン製です。

いまは2色とも品切れです。入ったらまたここに並べます。

この柄の色2色

メロディという柄の話 →

8柄の、素材と巾

Compare

同じリンドベリの柄でも、素材と巾はそれぞれ違います。カーテンやのれんのように大きく使うときは、ここを先に見ていただくと選びやすいと思います。

素材タテリピート10cm
ベルサ3色綿100%約140cm約3.2cm¥1,980
ハーバリウム4色綿麻約147cm約64cm¥1,980
グラツィア・ポカ2色綿50%・麻50%約150cm¥1,980
フルーツボックス2色レッド=綿100%(サテン)
グレー=綿麻
約150cm
約145cm
約45cm¥1,320
¥1,980
ポテリー1色綿100%約153cm約45cm¥2,640
バルバス1色綿・麻約150cm¥1,980
プランタン1色綿50%・麻50%約150cm約62cm¥1,760
メロディ2色リネン100%約150cm約50cm¥2,970

価格は税込・10cm単位です。数量「1」で巾いっぱい×丈10cm、「10」で1mをお切りします。

うちの記録から

From our order book

2019年から今日までの、自社サイトのご注文を数えてみました。リンドベリの生地を2枚以上まとめてお求めになった方のうち、柄をまたいで2つの柄を選ばれた方は、ひとりもいませんでした。みなさん柄を先に決めて、そのあと色で迷われます。このページを柄ごとに並べたのは、そういう理由です。

いちばん多く出ているのはハーバリウムでした。色が4つあるので、迷いどころも多いのだと思います。

それから記録には、いま棚にない色もときどき出てきます。ハーバリウムのダークブルーやブルー、メロディのピンク、プランタンのグリーン。ユンバリの布は、その色が終わるとそれきりになることがあります。

音楽家になるはずだった人が、倒産寸前の工場に飛び込んで、白樺の木に激突して、日本を旅して、リサ・ラーソンを見つけて、1982年にイタリアで亡くなった。その人が生涯かけて作った柄が、今もこうして布になっています。

柄の向こうに人の気配がする、というのはそういうことだと思っています。

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10cmから、お切りします。サイズや仕立てのことは、遠慮なく聞いてください。

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