Puutarhurin Parhaat / Marimekko 2009

プータルフリンパルハートという柄の話。

マリメッコ プータルフリンパルハート ライトグレーの生地。野菜や草花が線で描かれ、ところどころに緑と青が入る
ライトグレーという名前ですが、広げるとほとんど白に見えます。

「なんとなく気になる」。店頭で生地を広げると、「思ったよりいいですね」と言われる柄です。写真だけではなかなか伝わらない。実物を見て、ああそういうことか、とわかる。そういう柄です。

フィンランド語で「庭師の最高の収穫」という意味です。派手に主張する柄ではありません。

デザイナーのことを調べたら、「へえ」となる話がいくつか出てきました。

公園で日常を観察していた大学生

この柄をデザインしたのは、マイヤ・ロウエカリ(1982年、北フィンランドのオウル生まれ)。2009年にマリメッコから発表した柄です。

彼女がマリメッコと出会ったのは大学生のときです。2003年、ヘルシンキ芸術大学在学中に、マリメッコと大学が共催したデザインコンペで優勝しました。そのときの作品「ヘトキア(Hetkiä)」は、ヘルシンキのエスプラナーディ公園での日常の瞬間からインスピレーションを受けた柄でした。公園でスケッチしながら人々を観察した、大学生の作品です。今もマリメッコのホームコレクションに残っています。

それから20年以上、同じブランドで描き続けています。パターンのほとんどは手描きで、ペーパーカッティングなど異なる技法も試しながら。日常の小さな気づきをパターンにしてきた人で、プータルフリンパルハートにも、そういう視点が入っています。

今日の畑で「これは出来がいいな」「これも持って帰ろう」と選ばれた野菜や草花が、そのまま布の上に並んだような柄です。

野菜なのか、草花なのか

じっくり見ると、アスパラガスやブロッコリー、えんどう豆のさや、けしの花、きのこのような形のモチーフが見えます。何の植物かよくわからないものも混ざっている。庭師の最高の収穫、という名前の意味が、見ているうちに実感できてくる柄です。

ライトグレーという名前ですが、実物を広げてみると、ほとんどホワイトのように見えます。柄はにぎやかなのに、地の色がとても軽い。面でたっぷり使っても、部屋が重くならない。これは広げてみないとわからない。

野菜や草花がいろいろな方向を向いているので、上下がありません。クッションやバッグに仕立てるとき、向きを気にしなくていい。どこを切り取っても、ちゃんと絵になります。パネルにしても、クッションにしても、ハギレでさえ楽しい。それがこの柄の強さです。

ヘルシンキの、小さな畑から

この柄が生まれたもとは、フィンランドの市民農園です。シイルトラプータルハと呼ばれる、街のなかにある小さな貸し農園のこと。

ヘルシンキには9か所あります。いちばん古いところは1918年から、同じ場所のまま続いています。はじまりは、収入の少ない人が自分で野菜や果物を育てられるように、という考えからでした。いまは夏のあいだ、街の人がそこで過ごす場所になっています。

ひと区画ずつに小さな小屋が建っていて、全体が小さな村のように見えます。中の通りには「梨の小道」「いちごの小道」といった名前が付いているそうです。

庭師の最高の収穫、という柄の名前は、そういう畑から持って帰る日のことだと思うと腑に落ちます。畑ぜんぶではなく、その日いちばんよくできたものだけを選んで抱えて帰る。布の上に並んでいるのは、たぶんその一抱えです。

シイルトラプータルハと、ラシマットと

この柄には姉妹がいます。同じ2009年に、同じシリーズから出たシイルトラプータルハラシマットです。

シイルトラプータルハ ── さっき出てきた市民農園と、同じ言葉です。柄の名前にそのまま使われていて、小屋と木と花が並んだ、あの畑の風景が描かれています。ラシマットのほうは、布を細く裂いて織ったラグのこと。フィンランドの家で玄関や台所に敷いてある、ざっくりした織りの敷物です。

3枚とも、フィンランドの夏の暮らしをそのまま持ってきた柄でした。プータルフリンパルハートだけを見ていると気づきませんが、並べてみると同じ空気が流れています。

うちではどれもお出ししています。シイルトラプータルハを見る → ラシマットを見る →

耳には、名前が入っています

生地の端(耳)には柄名とデザイナー名が印字されています。ファブリックパネルにするとき、耳を少しだけ見せるのが好きな方もいます。

ただし耳の文字は一定の間隔で入っているので、切る長さによって、入ることもあれば入らないこともあります。きれいに入っていたら、少し得した気分になれます。
たたんだプータルフリンパルハートの生地。青い実と大きな花のモチーフが見えている

壁に掛けるか、テーブルに敷くか

いちばん手軽なのは、ファブリックパネルとテーブルクロスです。

額や木枠そのものは扱っていません。市販のものをお使いください。枠の大きさごとに何cm買えばいいかと張り方の手順は、布を、ポスターのように飾るにまとめてあります。

プータルフリンパルハートのファブリックパネル
横長パネルにすると、壁の一部が小さな菜園コーナーのような雰囲気に。
テーブルに掛けたプータルフリンパルハート
ただ掛けるだけで、食卓の空気が少しごきげんになります。

ハンドメイドが好きな方は、クッションカバーやバッグにも。のれんにしても雰囲気が出ます。上下の方向を気にしなくていい柄なので、縦でも横でも自然に見えます。洋服に仕立てる方もいます。

マリメッコのエプロンにも、この柄が使われています。生地から自分で仕立てることもできます。

プータルフリンパルハートの生地で作ったクッションカバー2つ
クッションカバーに。柄に上下が無いので、どの面を表にしても決まります。
プータルフリンパルハートの生地で作ったバッグを椅子に掛けたところ
バッグにすると、持ち歩ける小さな菜園のようになります。
プータルフリンパルハート ライトグレー 生地
プータルフリンパルハート 生地 商品を見る →

どれくらい買えばいいか

数量1=生地丈10cmです。生地巾は約145cmあるので、たいていのものは布を横につながずに作れます。買うのはタテの長さだけ、と考えてください。

ファブリックパネル(W90×H40)なら数量5、クッションカバー45cm角・表裏なら数量6、小窓のカーテン(丈90)なら数量12、のれん(丈120)なら数量16が目安です(縫いしろ込み)。

この柄は上下が無いので、柄合わせの余分は要りません。仕上がりのサイズが決まっていれば、必要な数量をお調べします。お電話(088-642-5828)でも承ります。

プータルフリンパルハート 生地を見る

10cmから購入できます

公園で日常を観察していた大学生が、20年以上たっても同じブランドで描き続けている。そのデザイナーが、庭の収穫を布の上に並べた。何の野菜か、何の草花か、よくわからないものも混ざっている。でも並べてみると、なんかいい。

広げるたびに、新しいものが見えてくる柄だと思います。

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