個人的に、マリメッコが一番好きです。柄を見ているだけで楽しくなる。この仕事を続けてこられた理由のひとつは、マリメッコの生地があったからかもしれません。
調べれば調べるほど、面白い話が出てくるブランドでもあります。創業者が解雇されたこと、花柄を禁じていたこと、大統領夫人がこっそり買いに来たこと。そういうことを少し書きます。
マリメッコは1951年、フィンランド・ヘルシンキで生まれたブランドです。創業者はアルミ・ラティア。その2年前、1949年に7年間勤めた広告会社を解雇され、夫の生地会社で働き始めたことがきっかけでした。
社名「マリメッコ」は、アルミのミドルネーム「マリア」の短縮形「マリ」と、フィンランド語でドレスを意味する「メッコ」を合わせた言葉です。「マリのドレス」という、それだけの名前です。
大胆な色と大きな柄が特徴です。最初に見たとき、こんなに鮮やかでいいのかと思いました。でもそれが、長く使っても飽きない理由でもあると思っています。
アルミ・ラティアはデザイナーたちにこう伝えていたそうです。「布いっぱいに好きな絵を自由に描いてほしい。ただし、花だけは描いてはいけない。花はそのままで十分美しく、装飾モチーフとしての花は野に咲く花には叶わないのだから」と。
ウニッコはその8枚のうちの1枚です。ケシの花を大胆に、力強く、画面いっぱいに咲かせた柄。「描いてはいけない」と言われていた花柄が、今やマリメッコの顔になっています。
そしてウニッコが生まれた翌年、別のデザイナーがその扉の先でプケッティを描きました。マイヤ・イソラの抗議がなければ、存在しなかったかもしれない柄です。
誰かが本当に気に入って買った、それだけのことがブランドを変えることがある。今でもその話が好きです。
ちなみにフィンランドの国営航空フィンエアーは、機体にウニッコ柄を塗装した特別塗装機を運航しています。フィンランドを代表するものとして、マリメッコが選ばれた、ということだと思っています。
1964年、デザイナーのマイヤ・イソラが描いたケシの花です。なぜいいのか、小さなサンプルだけではわからない柄です。生地を広げてみると、なんかひかれる。理由はうまく言えないんですが、そういう柄です。
見れば見るほど気になって、気づいたら手元に置きたくなっている。60年以上愛されているのは、そういうことだと思っています。
同じウニッコの花が、小さくなるだけで印象がまるで変わります。ポーチやバッグに切り出すと、どこを切り取っても柄がちゃんと顔を出す。ウニッコが好きで、でも大きな柄は少しためらう、という方に選ばれることが多いです。
毎日使うものに選ぶと、じわじわとよさがわかってくる柄です。マリメッコのマグカップを毎朝持つ、クッションカバーにして毎日目に入る。そういう暮らしの中に置いてみて、この柄が長く選ばれてきた理由がわかります。
フィンランド語で「婚礼のバラ」。甘くない、力強い、どこか鋭いバラです。バラらしくない、と思う人もいるかもしれない。でもそこがいい。最初に見たとき、これはいいな、と思った柄のひとつです。
詳しい話は特集ページに書きました。
植物や実がぎっしり描かれているのに、うるさくない。ライトグレーのベースに、ところどころ色が入っている。そのアクセントが面白い。
中性的な雰囲気があって、男女問わず選ばれる柄です。見れば見るほど発見がある。詳しい話は特集ページに書きました。
縫わなくても使えます。生地を買って、額に入れる。それだけで部屋が変わります。窓にかけるだけでカーテンになる。棒を通してタペストリーにする。縫製所に持ち込んでカーテンや座布団カバーに仕立てる。
ハンドメイドが好きな方は、ポーチやバッグから始めるのがおすすめです。ミニウニッコやプケッティは小物に向いていて、どこを切り取っても柄が顔を出します。
生地は10cmから購入できます(¥880〜)。まず手にとってみてください。
解雇されたことから始まって、「作るな」と言われた花が顔になって、大統領夫人がこっそり買いに来て、今は飛行機の機体に柄が描かれている。1951年から70年以上続いているブランドには、そういう話がたくさん積み重なっています。
個人的に、そういうブランドが好きです。
10cmから購入できます(¥880〜)