Siena / Alvar Aalto 1954

シエナという柄の話。

マリメッコの生地がずらりと並ぶ店で、たった一枚だけ、建築家がデザインした布があります。それが、アルテックの「シエナ」。白と黒の、静かな縞の柄です。

正直に言うと、はじめは地味な幾何学模様だと思っていました。ところが名前の由来を知ってから、急に好きになりました。この白黒が、イタリアのある大聖堂に見えてくるんです。今日はその話をさせてください。

白と黒の縞は、シエナの大聖堂から

シエナは、フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトが1954年にデザインした生地です。

アアルトが愛したイタリアの街に、シエナがあります。その中心に建つ大聖堂は、白と黒の大理石を横に積み上げた、しましまの建物です。柱も、壁も、床まで白黒の縞。まるで一枚の布のような教会です。

その縞模様に心を奪われて生まれたのが、この柄だと言われています。だからこの"白黒"は、シエナのいちばん始まりの色。建築家が石に見た美しさが、そのまま布のリズムになっています。

シエナの柄と、白黒の大理石が縞をつくるイタリア・シエナ大聖堂を重ねたアルテックのイメージ
柄と、由来になった大聖堂を重ねた一枚。左が「シエナ」の生地、右がイタリア・シエナ大聖堂の大理石です。
画像:アルテック(Artek)

建築家が、布までデザインした

アルヴァ・アアルトは、建物や、あの波打つガラスの花瓶、曲げ木のスツールで知られる人です。仲間とアルテックという会社を立ち上げ、椅子から照明、そして布まで、暮らしのすみずみをデザインしました。

だからシエナは、ただの模様ではありません。建築家が引いた一本一本の線です。手描きらしい、少しかすれた黒。定規で引いたようでいて、どこか手のぬくもりが残る縞。そこがこの柄の気持ちいいところだと思っています。

手に取ったシエナの白黒コットン生地。しっかりハリがあり、めくった裏側にも柄が出ている。
実際にお店にある生地です。手に取るとしっかりハリがあって、裏側にもちゃんと柄が出ます。

手に取ると、ちゃんと布

綿100%ですが、くたっとせず、しっかりとハリがあります。1枚でカーテンにしても透けにくく、光を通すとリズミカルな縞がやわらかく浮かびます。

裏から見ても柄がきれいに出るので、のれんや間仕切りのカーテンにもぴったり。白黒の明るい色合いなので、パントリーや食器棚まわりに掛けても、気持ちよく片づいて見えます。

建築家の一枚を、暮らしに

クッションカバーやファブリックパネルにして飾れば、それだけで壁がきりっと引き締まります。額に入れて掛けるだけでも、絵のように様になります。生地は10cmから、必要なぶんだけ買えます。

名前の由来を知っていると、白と黒の縞が、イタリアの大聖堂に見えてくる。そういう一枚です。

アルテック シエナ 白黒 コットン生地
アルテック シエナ 白黒(コットン・10cm単位) 生地を見る →

フィンランドの建築家が、イタリアの大聖堂に見た白と黒。70年前にデザインされた柄が、今もそのまま布になって、徳島の店に置いてある。そう思うと、この静かな縞が少し違って見えてきませんか。

シエナの生地を見る

10cmから購入できます(¥638〜/10cm・税込)