Fruit Box / Stig Lindberg × Ljungbergs / 1947

フルーツボックスという柄の話。

グレーのフルーツボックスの生地の上に、赤を張ったパネルを置いたところ
グレーの生地の上に、赤い生地を木枠に張ったもの(ファブリックパネル)を置いたところ。同じ柄です。

果物の木箱を、上から見たような柄です。仕切りのマス目まで、そのまま絵になっています。

うちにあるのは2色。赤(スペシャルレッド)と、グレーです。同じ柄なのに、並べるとずいぶん違います。

ひとマスに、ひとつずつ

スウェーデン語の名前は「Fruktlåda(フルークトロダ)」。果物の木箱、という意味です。

角の丸い仕切りが格子に並んで、そのひとマスずつに実がひとつ入っています。半分に切ったりんご、種が縦に並んだ断面、葉の出た実。ひとマスずつ違います。

ひとマスだけ、実の絵の中に小さな虫が描かれています。探してみてください。

近くで見ると果物の図鑑のようですが、離れると規則正しい格子に見えます。額に入れたときに絵になるのは、そのせいだと思います。

1947年、NKの展示のために生まれた柄

描いたのはスティグ・リンドベリ(1916–1982)。スウェーデンの陶芸家で、グスタフスベリという焼きものの工場で器のデザインをしていた人です。

この柄が描かれたのは1947年。ストックホルムの百貨店NK(ノルディスカ・コンパニエット)の展示のために作られました。

きっかけは、NKの生地部門を率いていたアストリッド・サンペという人でした。器を作ってきた人ですから、布は畑違いです。それでもサンペは、この人なら布の上でも面白いことをすると思っていたようです。

このときリンドベリが出した柄は、6つ。うちに並んでいる柄の多くが、この年にまとめて生まれたものです。

シカゴ美術館(Art Institute of Chicago)が所蔵しています。その記録には「1947年デザイン、1984年に再版」とあります。生地の端(耳といいます)に入っている年は、柄が生まれた年ではなく、その布を刷った年です。
フルーツボックスの生地の耳。FRUKTLADA と DESIGN BY STIG LINDBERG の文字とサイン
生地の耳。FRUKTLÅDA、DESIGN BY STIG LINDBERG、そしてサインが入っています。
スティグ・リンドベリ フルーツボックス生地

赤とグレー、生地そのものが違います

同じ柄ですが、刷ってある布が違います。赤は綿100%のサテン、グレーは綿と麻です。さわった感じも、仕立てたときの見え方も変わります。

スペシャルレッド ─ 綿100%のサテン

綿100%のコットンサテンです。表にしっとりした光沢があって、厚みとハリがあります。

生地巾は約150cm。柄がタテにひと回りして同じ絵に戻るまでが約45cmです(タテリピートといいます)。

使いこなしは難しい柄だと思います。赤が強いので、使う場所は選びます。それでも個人的には、手元に置きたい柄です。

フルーツボックス スペシャルレッドの生地を寄せたところ
スペシャルレッド。光のあたるところで、サテンの艶が出ます。

グレー ─ 綿と麻の、光沢のない布

全体がグレーなのではありません。生成り(染めていない布の色)の地に、濃いグレーで刷ってあります。

綿と麻の混紡で、光沢はありません。透け感が控えめなので、目隠しにも使えます。

生地巾は約143cm。そのうち柄が刷ってあるのは約141cmで、両端の1cmほどは無地です。

赤ほど強く出ないので、カーテンやのれんのように面が大きいものなら、こちらのほうが合わせやすいです。

フルーツボックス グレーの生地を吊るしたところ
グレーを吊るしたところ。

額に入れる、パネルにする。

額に入れるだけでも絵になります。市販のパネル用フレームに挟むのがいちばん手軽です。

たとえばW90×H40の枠なら、布は50cm。スペシャルレッドで6,600円、グレーで9,900円です。買う長さの目安は「枠の寸法に、上下左右5cmずつ足した大きさ」。枠は市販のものをお使いください(仕上がったパネルはお作りしていません)。枠の大きさごとに何cm買えばいいかと張り方の手順は、「布を、ポスターのように飾る」にまとめてあります。

どこを切り取るかで、見え方がかなり変わります。果物を真ん中に置くか、少しずらすか。そこを考えるのも楽しいです。

小物にするなら、ポーチやトートのワンポイントに。赤が少しだけ出るくらいが合います。

ご自分で縫わなくても大丈夫です。カーテン・のれん・クッションカバーなどは、当店がいつもお願いしている縫製所で仕立てられます。仕立て代は仕上がりの寸法で変わるので、お問い合わせかお電話(088-642-5828)でお見積りします。

カーテンをお考えの方は、オーダーカーテンについてもご覧ください。採寸のしかたも書いています。

布は、スウェーデンの織り工場から。

この生地を作っているのは、ユンバリ(Ljungbergs Textil)というスウェーデンの捺染工房です。1948年から、リンドベリやヨセフ・フランクの柄を刷ってきました。

布を織るところから刷るところまで、ぜんぶスウェーデンの中でやっています。織り工場も、いまはユンバリと同じ会社です。

生地はよそから仕入れて、柄だけ刷る。そういう作り方もあります。ユンバリはそうではありません。

1947年の柄ですが、廃番ではありません。いまも同じ工房で刷られています。

フルーツボックス 生地

Fruktlåda ─ Stig Lindberg × Ljungbergs Textil

10cm単位でお切りします。スペシャルレッドは10cm 1,320円、グレーは10cm 1,980円(どちらも税込)。麻が入っているぶん、グレーのほうが高くなっています。

スペシャルレッドは綿100%のサテン、グレーは綿と麻の混紡です。どちらも洗うのは30℃まで、乾燥機は使わず、アイロンは低めで。縮みは3〜5%あるので、裁つ前に一度水を通してください(ユンバリの案内より)。

どれくらい買えばいいか

生地は10cm単位でお切りします。巾はどちらも140cm以上あるので、たいていのものは布を横につながずに作れます。買うのはタテの長さだけ、と考えてください。反物によって巾が少し前後することがあるので、巾いっぱいに使う仕立てのときは、先にお問い合わせください。

下の長さは、仕上がりの寸法に縫い代のぶんを足したものです。値段が色で違うので、両方を並べました。

いずれも税込・縫い代を含んだ目安です。スペシャルレッドは柄がひと回りする長さ(タテリピート)が約45cm。仕上がりのサイズが決まっていれば、必要な長さをお調べします。お電話(088-642-5828)でも承ります。

難しそうだと思って避けていた柄でも、実物を見ると印象が変わることがあります。フルーツボックスが、まさにそれでした。

※ 柄が生まれた年・展示「NK Bo」・6つの柄の名前は、製造元ユンバリ(ljungbergstextil.se)と壁紙メーカー Boråstapeter の記述より。所蔵と「1947年デザイン/1984年再版」の記録はシカゴ美術館(Art Institute of Chicago)の目録より。日本語は当店の訳です。

フルーツボックス生地 一覧を見る

生地は10cm単位・レッド1,320円/グレー1,980円(税込)。カーテンやクッションのご相談も承ります。

スティグ・リンドベリの、ほかの柄

スティグ・リンドベリという人について →

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